数字で評価

date:2002-01-26

中学校を卒業するとき、想いをよせていた男子生徒のボタンを頂戴するという行事がありました。成績表と同じく、3年間の評価が数字で下されるのです。また、今更どうしようもないにも関わらず、前日にあるいは前夜になって、すごくそわそわするのも成績表と同じです。

心身ともに健康な男子であった私も、心配していたひとりです。死語でしょうが「両想い」という関係にあった女子生徒がいました。卒業式前夜、何度も寝返りをうちながら、考えていました。

「おそらく彼女が第二ボタンをもらっていくだろう。でも、両想いであることをおおっぴらにしていないから、式のすぐ後に来ないかも知れない。それでは、それより前に他の人にボタンを下さいと言われたらどうしよう。第二ボタンをあげるわけにはいかないが、だからと言って別のボタンで我慢してくれとは言えない。ああ、困ったなぁ。」

卒業式当日。無事に式も終わり、担任の先生のありがたいお言葉をいただき、門の外に出ました。クラブの後輩に挨拶をし、級友たちと絆を確かめ合い、コンパの時は必ず呼べと堅い約束を交わしたことを、今でも覚えています。そして、制服にボタンをフル装備したまま帰路につきました。

自分の3年間はこんなものだったのかと成績表を見ました。制服についたままの5つのボタンも見ました。少しふてくされて、ポケットに手をつっこみました。今朝、買っておいた予備のボタンがありました。

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