嬉し恥ずかしお買い物

date:2002-09-30

買い物という活動には、長所と短所があります。長所は楽しいこと。月に10万円程度の収入の中から、不必要なまでに性能のいい電池を買ったりする快感は、なかなか得られるものではありません。一方、買い物に伴う短所は、気を使う必要があることです。

たとえば、スーパーで知人を見かけたら気を使います。私には、友人はいませんが、幸か不幸か知人はいます。この微妙な関係がやっかいで、できれば彼あるいは彼女との接触を避けたい。見つからないように、後ろのほうをそーっと歩くわけです。その知人がピーマンの品定めをしている間、少し離れた場所で、買う気もない餃子の皮を品定めするわけです。

ところが、スーパーというところは、かくれんぼ用にデザインされていないので、発見されることもあって、さらに気を使います。餃子には○○を入れるとおいしいよ、などと餃子以外には使えそうない食材を勧めてきたりすると、もう鬱陶しいことこの上ありません。自分の意志で無駄に高価な電池を購入することと、他人の意志でよく分からない調味料を購入するのは別の話です。

買い物、本来は楽しいはずなのに、知人のせいで台無しです。一瞬にして娯楽が苦行に一変するのです。正確には知人のせいではありません。己の社交技能が乏しく、お釣りが出るほど気を使うからです。

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