ギリシャ人の物語

date:2001-06-27

子供が生まれたときはもちろん、意外といろんな場面で命名をしなければいけません。商品の名前、作ったプログラムの名前、ウェブサイトの名前などです。

こんなギリシャ悲劇があります。エディプスという王位継承者が、自分の父親をそれと知らずに殺害し、さらに母親と結婚してしまいましたとさ。転じて、子供が成長過程で異性の親を性的に独占しようと葛藤することを、エディプスコンプレックスと言うわけです。ギリシャ神話系では他にも、ピグマリオン効果など、素敵な命名があります。

単位や法則には、発見者の名前がつけられることがあります。ワット、オームの法則、シュレーディンガーの波動方程式などが例として挙げられます。○○のホームページなどという軟派な命名は、この流れをくんでいると言えるでしょう。一方、相対性理論や光子理論などは、人名が入っておらず質実剛健で硬派な感じがするので、私も見習いたいと思いっています。

英語や日本語で、人の名前がもとになっている言葉で思いつくのは、ピーピング・トムとか出歯亀というところでしょうか。中国くらいになると、故事成語として推敲、矛盾、蛇足など、気の利いた表現があります。

しかし、守株というのは、話がださい。田んぼの切り株にウサギがぶつかった。それからというもの、株を見張りつづけたという農民の話。すごくダメです。待ちぼうけの名にふさわしい行為だと言えます。

ギリシャにも、どうしようもない人がいたようです。水面に映った自分の顔を見て抱擁を迫り、溺れたという愚か者も、すごくダメです。なんというナルシストぶりでしょう。

Previous topic

透ける

Next topic

文化的生活には参加料が必要

This Page