date: | 2003-03-09 |
---|
男性用トイレの小用便器は、一般に個室の中にあるのではなく壁沿いに複数配置されている。電車やバスの座席と同じく、微妙な距離感である。私は基本的に放尿中には話しかけない主義である。なんとなくプライベートを犯している気がするからだ。
「元気にやってるかね」と先生は話しかけてきた。ついでに「無視するなよ」とも。いやいや排泄中には話しかけないんですよ、私は、と言い訳したのですが、そんなことはお構いなしにいろいろ言われた。「最近、見かけないけど学校に来ているのか」「君のオフィスのドア、閉まってること多いよ」「私のオフィスに顔を出さないじゃないか」などなど。
トイレで話しかける主義の人にとってみれば、あの至近距離で私が目を合わせようとしないと、無視されたと思うかも知れない。共感はできないけれど、理解はできる。しかし、熱心ではないけれど、私は普通に通学している。先生のオフィスと私のオフィスは階が違うので会う機会が少ないだけである。私がオフィスのドアを閉めているのは、別の学生が閉めたがるからであって、私はどちらかと言うと、少し開けておきたい派である。
という言い訳をしても始まらないので「では、もう少し頻繁に顔を出します」と言っておいた。言ってから気づいたのだけれど、今年から研究室を移ったので、その先生にはもはや何も用事がない。