date: | 2001-10-02 |
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先生や講師が、時々口にする言葉に「分かりましたか」というのがあります。説明した内容が、受講者にきちんと伝わったかどうかを、確認する質問です。結論から言うと、この質問に対する私の答えは、常に「分かりません」です。
受講する目的が、知らないことを知ることだと仮定しましょう。既に知っている内容に関して受講することは稀である、というのは、現実的な仮定でしょう。この場合、講義内容の中には受講者が知らないことが含まれることになります。ということは、内容が分かったかどうかを、受講者自身では判断できません。説明を聞いて、理解しているかも知れませんし、自信満々で誤解しているかも知れません。私事で恐縮ですが、いかなる講義においても私が分かっていることは、自分が無知であることと、その日の昼食を大手ファーストフード店で済ませることくらいです。
では、どうすれば理解したかどうかを判断できるかというと、試験やテストではないかと思います。講義内容を理解していれば答えられる質問に対して、受講者がどれだけ答えることができるかで、習熟度を知ることができます。つまり試験の答案こそが「分かりましたか」に対する受講者の返答になるわけです。これが試験の存在意義のひとつであって、成績や偏差値をつけることのみが試験の利用方法ではありません。教える側にとっても、受講者にとっても、試験が終わってからの行動が、本来の目的を達成するために重要だということです。
以上が、先日の答案に関する私の意見です。先生、分かっていただけましたか。